あらまし:
ある日、「DELL mini9にUSBメモリを挿してそこにLinuxを入れれば、普段はWindowsでLinux使いたい時だけLinux使えるんじゃね?
」と思い立ってしまったので実行しました。
Ubuntuも入れてみたのですが、何度か立ち上げているうちに起動しなくなったりしまったので、一度試してみたかったDebianをインストールすることに。DebianはUbuntuの親戚みたいなものなので、UbuntuのノリでDebianも使えるだろうという目論見です(伏線)。
USBメモリ:
秋葉原のあきばおーで買った、16Gで1,500円の安いメモリ。グリーンハウス製。
Debianインストール:
Debian6.0のネットインストール版を入手してインストール。USBは(swap領域用のパーティーションを除いて)ext3でフォーマットしました。安いUSBだからなのか、インストールにもの凄い時間がかかます。4時間くらい?
USBを挿している時だけDebianを立ち上げるようにしたいので、GRUBはmini9本体のSSD(/dev/sda)ではなく、USBメモリである /dev/sdbに入れました。6.0は/boot/grub/menu.lst は修正する必要なく、そのままで動きます。
しかし、インストールが終わって起動してみると、
- 無線LANが動かない
- サウンドが鳴らない
- パッドをタップしてもクリックと認識されない
という状態になっていました(どれもUbuntuでは問題なかったところ)。
無線LAN
http://linuxwireless.org/en/users/Drivers/b43
https://help.ubuntu.com/community/WifiDocs/Driver/bcm43xx#b43%20-%20No%20Internet%20access
mini9に載っている無線LANのチップはbroadcomのBCM4312というものらしいので、とりあえず上記のサイトを参考にしてみました。
上のサイトには「aptitudeでb43-fwcutterというモジュールを入れろ
」という指示があるんですけど、このモジュールはcontribに入っているので、「ソフトウェアの配布元」でcontribもダウンロードの対象に含める必要があります。
sudo apt-get install b43-fwcutter wget http://downloads.openwrt.org/sources/wl_apsta-3.130.20.0.o wget http://mirror2.openwrt.org/sources/broadcom-wl-4.150.10.5.tar.bz2 tar xfvj broadcom-wl-4.150.10.5.tar.bz2 b43-fwcutter -w /lib/firmware wl_apsta-3.130.20.0.o b43-fwcutter --unsupported -w /lib/firmware broadcom-wl-4.150.10.5/driver/wl_apsta_mimo.o
b43-fwcutterをインストール後、help.ubuntu.comの記述を参考にドライバをインストールしてリブートしたら無線LANが復活しました。
サウンドが鳴らない
なんか全くmini9から音がならないのでおかしいな? と思っていたのですが、結果的にはスピーカーがミュートになっていたのが原因だったようです(つまりデバイスドライバ周りの問題ではなかった)。
alsa-utilsというモジュールに含まれるalsamixerコマンドを実行し、スピーカーのミュートを解除して解決。
パッドをタップしてもクリックと認識されない
「マウス」のタッチパッドのタブにある「タッチパッドでのマウスクリックを有効にする」をチェックで解決。
でもGUIのエディタを使ってる時は降れるとカーソルがそこにジャンプしてうざったいので、そういう用途で使う時は切った方がいいのかも。
Dropboxのインストール
せっかくなのでDropboxもインストール。
UbuntuではDropboxが専用のモジュールを提供していますが、Debianでそれを入れてもインストールできません。ソースをコンパイルする必要があります。
apt-get install libnautilus-extension-dev libnotify-dev apt-get install python-docutils tar xvfj nautilus-dropbox-0.6.7.tar.bz2 cd nautilus-dropbox-0.6.7 ./configure make make install
python-docutilsを入れないと、configureが失敗しました。
VPNクライアント
http://d.hatena.ne.jp/MIZUNO/20090927/1254001541
職場とVPN(pptpd)で接続するため、上記のサイトを参考に
- network-manager-vpnc
- network-manager-openvpn
- network-manager-pptp
を入れてみたのですが、ネットワーク接続のVPNの欄の「追加」ボタンが何故かアクティブになってくれませんでした。
結論としては、「network-manager-pptp-gnome」というモジュールを入れたところ、「追加」ボタンを押せるようになり、無事VPNが使えるようになりました。上記のnetwork-manager系のモジュールにはみんなGnome版があるので、最初からそちらを入れたほうがいいのかも知れません。
その他、インストールしたソフト
- Google Chrome
みんな大好きChrome。mini9は縦の解像度が600ドットしかないので、余計なメニューバーやステータスバーが表示されないChromeは非常に有用です。
Chromeのサイトから落とせるDebian/Ubuntu用のモジュールをそのままインストールすれば完了。 - Kate
KDE由来のテキストエディタ。Debianに標準で付いているエディタよりも使いやすいので重宝してます。
ちょっと前は日本語が入力できないバグがありましたが、今のバージョンは普通に入力できます。 - emacs23-nox
emacsは職場で常用しているので勿論インストールしますが、個人的にX Window版には何か違和感を感じてしまうので、コンソール内で動作する版のみを使っています。 - cairo-dock
こちらで紹介されていた、Macっぽいランチャー。
mini9のような非力なマシンでもちゃんと滑らかにアニメーション動作してくれます。使ってて楽しいのが最大のメリット。 - netbeans, subversion, php, apache2, cpanm
開発+テスト環境構築用。NetbeansにPHP用の拡張を入れたものを使ってます。
netbeansはデフォルトのままだと日本語フォントがアンチエイリアスされないので、こちらを参考にして /etc/netbeans.conf のオプション指定に “-J-Dawt.useSystemAAFontSettings=lcd” を追加しています。
結論としては、DebianとUbuntuは思っていた以上に違いました。Debianなめるなって感じです(伏線回収)。