2004/08/20

 

[Review] 「マリア様がみてる ~春~」後半の個人的なみどころ

 自分の日記サイトが、南方純さんが運営する「マリみて」お絵かき掲示板で有名なサイト「PURE」のリンク集に登録されていることに気付いた記念として、アニメ版「マリみて」の今後に期待することを述べてみたい。


 前回の放送で、期待の新キャラである二条乃梨子と松平瞳子が登場。特に瞳子なんかは、もう顔を見ただけで思わず引っ叩きたくなるくらい小憎たらしいナイス描写がなされていてたいへんに萌え萌えであり、今後のエピソードの彼女たちの活躍の描写に期待が高まるところであるが、個人的にはあえて「マリみて」本来の中心人物である小笠原祥子の今後の描写に注目していきたい。

 前回放送分から、小笠原祥子は学園を統べる生徒会組織・山百合会の中の、そのまた最高位である「薔薇さま」と呼ばれる立場となった。これは即ち、祥子は生徒会や学園を自分の思うがままにできる権力を手に入れたことを意味する。
 これまで彼女の行動を律してきた「お姉様」水野蓉子も、色々な意味で彼女と正反対の性格だったが故に目の上のタンコブだった「白薔薇さま」佐藤聖も、もうこの学園には存在しない。そして、祥子と同期の支倉令は祥子ほど押しが強い人間ではないし、「白薔薇さま」の座を継いだ藤堂志摩子はまだ二年生ということもあり、祥子を制止できる力はない。祥子の行動を制御できる者は、この学園内にはもういない。
 文字通り、小笠原祥子は「学園の支配者」となったのだ。

 実際、この時期の彼女は、原作においてもまさに「支配者」の名に相応しい行動を取っている。
 例えば、ソロリティに属しながらも孤立主義的な行動を取る藤堂志摩子を「洗脳」して組織の中に完全な形で組み込むために、何も知らずに志摩子に接触して好意を持った一年生・乃梨子を生贄とすることを画策、自分を姉のように慕う親戚の松平瞳子を鉄砲玉として利用して乃梨子を襲撃させるようにし向けた「マリア祭の宗教裁判事件」が代表的な例だろう。この時期、既に祥子がソロリティ内部の権力を完全に掌握していたことを証明するエピソードだ。

 祥子の姉の蓉子は「ソロリティが生徒から疎遠な存在にならない」ために心を砕いていたが、この時期の祥子は、逆にソロリティの威信を最大限に活かす方向性を志向していたように思える。
 彼女自身が生粋のお嬢様であり、それ故に「権力」というものがどういうものなのか、彼女は生まれながらに知っている。敬われ、憧れられ、そして恐れられる存在。小笠原祥子自身がそういう人物である以上、彼女がトップに立った山百合会というソロリティそのものがそのような方向に向かうことは、ある意味必然であろう。

 「チェリーブロッサム」~「ロザリオの滴」における志摩子と乃梨子の物語は、この二人の関係を成立させるために暗躍した祥子の影響力の強さを物語るものでもあるのだ。
 影で政治力を行使して己の野望を実現していくその手腕は、まさに「女王」と呼ぶに相応しい。個人的なこのエピソードの見所はそこにある。

 ――だが、そんな彼女にも唯一と言って良い弱点がある。祐巳の存在だ。あまりに自分のことに囚われすぎた彼女は最愛の「妹」である祐巳からの信頼を失い、最終的には祐巳の離反という危機に直面することとなる。そこで初めて、「女王」の座を手に入れ、己のプライドを満たした代償として、祥子は自分にとって一番大事なものをいつの間にか失っていたことに気付くのだ。
 祥子対祐巳。契りを交わした姉妹同士の運命の戦い。世に名高い「レイニーブルー戦役」の始まりである。

 愛か、それとも女王としての体面か。二つの相克する感情に思い悩んだ彼女は、最後に女王としての仮面をかなぐり捨て、妹への愛を打ち明ける道を選ぶこととなる。
 「女王様の仮面をかなぐり捨てて、真実の愛を打ち明ける」だなんて、まるで高慢なOLが主人公のレディースコミックや、高慢なアイドルが主人公のエロマンガみたいな展開で、たいへんに萌え萌えではないか。個人的にはそういうシチュエーションは大好きだ。個人的なこのエピソードの見所はそこにある。


 ……判って頂けただろうか?(わからない方が良いです)

Posted at 00:00 | WriteBacks (0) | permalink
WriteBacks
TrackBack ping me at
http://fukaz55.main.jp/review/miteharu.trackback
Post a comment

writeback message: Ready to post a comment.















Syndicate this site (XML)  Subscribe with Bloglines  Subscribe with livedoor Reader    blosxom 2.0.2