2005/03/08
[Review] 初めてのアジャイル開発
初めてのアジャイル開発 クレーグ・ラーマン著・児高慎治郎監訳・松田直樹監訳・越智典子訳 |
先月集中的に読んでた技術系の本が、「初めてのアジャイル開発」(日経BP社)。
XP・UPをはじめとした、いわゆる「アジャイル開発手法」の代表的なものをいくつか紹介し、それぞれの手法の考え方を知った上でどの手法をどんな感じで実際の運用に適応して行けばいいのか? について述べた本です。
対象読者を「アジャイル開発手法を初めて開発現場に導入しようとしている人向け」に絞ってあるので(基礎的な知識があれば)判りやすく書かれていますし、内容もかなり「実践」を意識したものになっているので、読んでいくうちに具体的にどうしていいかのイメージが湧きやすくなっている本だなあと感じました。
特に、個々の手法の章毎に「ありがちな間違いと誤解」というセクションを設け、「判っていない証拠」の具体例を上げていくことで、逆説的に読者に「判らせる」ような作りになっているのは感心。アジャイル手法の入門教育用には最適な本なんじゃないのでしょうか(自分も真面目なアジャイル本はこれしか読んだこと無いけど)。
まあ、結局は「アジャイル開発手法を導入する場合はコンサルタントを雇った方がいい
」ということになるんですけどね。要は「俺たちを雇え」ってこと?(穿ちすぎな視点)
以前、自分が間接的に関わっていた典型的ウォーターフォール手法で進められたプロジェクトが見事に頓挫してしまい、そこで開発していたシステムそのものが「使えない」という理由で塩漬けされる様子を目前で見た経験をした私としては、この本で述べられている「反復型・進化型開発」という概念の有用性は身に染みて判ります。
あと、「ドキュメントはクライアントの頭の中にあるから、そっから聞き出しゃいい! 余計な文章作ってる暇があったらプログラミングしやがれ!
」というXPのやり方の過激っぷりにも目から鱗が落ちた感じ。さすがエクストリームを名乗るだけのことはあるなあ!(妙な感心)
とりあえずこれを読んでアジャイル手法は理解できた気になったので、次はより個々の手法について掘り下げた資料にあたっていきたい。この本で紹介されている手法のうち、現在「主流」と呼べるのはUPとXPなので、まずはそこから調べようと思います。
今後チェックしていきたいもの:
「初めてのアジャイル開発」読了しました。
「初めてのアジャイル開発 スクラム、XP、UP、Evo で学ぶ反復型開発の進め方
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