実録・富士通製 LAN カード FMV-183 を Redhat Linux で使えるようになるまで

ねらい

 Linux コミュニティでは、初心者(いわゆるタコ)自身が苦労した事項などを文書化して広く公開する事が尊ばれているので、私も尊ばれてみたくなりました。
 尊ばれ!(←文法ミス)


シチュエーション

 今まで Win95 が動いていたお古の富士通製 PC/AT マシンに Linux を載せてみたくなりました。
 そのマシンには FMV-183 という、富士通製ネットワークカードが刺さっていたので、それをそのまま使ってみることにしました。


用意するもの


作業手順

1. Redhat Linux の CD からカーネルのソースをインストール
 カーネスソースのインストール方法に関しては、Rethat Linux のマニュアルに説明が書かれています。

2. make menuconfig でリコンパイルの設定を行う。やる事は以下の通り:
・"Code maturity level option" -> "Prompt for development and/or incomlete code/drivers" を有効にする
・"Network Device Support" -> "Other ISA cards" -> "FMV-181/183/183/184 support" を有効にする(ローダブルモジュール指定)

3. make 実行
make dep; make clean; make
make modules
make modules_install
depmod -a
make zlilo

4. 一度 linux を終了させ、Win95 を DOS モードで立ち上げる
   cat /proc/interrupts で使用 IRQ の一覧が見られるので、ブートの前で IRQ の空きをチェックした方が良いかも。

5. FMV-18x 設定ユーティリティを起動
 PnP 機能を無効 (Disabled) にし、IRQ と I/O ポートを適当な値に設定する(今回の場合、IRQ=7, I/O=0x240 にしました)
 ただし、場合によっては IRQ とかの変更設定ができない(ユーティリティの設定メニューが選択できない)場合があるので、その場合は PnP を無効にしてから一度電源を落とし、再度設定ユーティリティを起動すると設定を変更できるようになる……と思う。多分

6. linux ブート
 富士通製のカードには「一度電源を落とさないと設定が反映されない」という性質を持つものがあったような気がする(この辺あやふや。FM-R 系だったっけ?)ので、設定を行った後は一度電源を落としてからブートを行った方が良いと思われる。

7. /etc/conf.modules に FMV-18x ドライバの設定を書く
alias eth0 fmv18x
options fmv18x io=0x240 irq=0   # <- io にはさっき設定した値を設定、irq は自動検出する(らしい)

8. /etc/rc.d/rc.modules に、ネットワークドライバモジュールの組み込みを行うコマンドを書く
#!/bin/sh
/sbin/depmod -a
/sbin/modprobe fmv18x

 rc.modules はシェルスクリプトとしてブート時に動くので、rc.modules の chmod は 755 に設定する必要がある。

9. linux リブート。
 ブート時メッセージに、fmv-18x を組み込んだとか何とかいうソレっぽいメッセージが出れば認識完了(多分)。
 その後は、X 上で netcfg を動かし、ネットワークの設定を適当に行って下さい。


教訓

 やっぱり、可能であれば、ネットワークカードは Redhat Linux が標準でサポートしているもの(インストール時のネットワークボードの一覧にある奴。NE2000 コンパチとか)を使った方が良いでしょう。なければ買いましょう。Linux で動作が確認されている ISA LAN カードには、今ではゴミのような値段で売っているものもあるので、できれば標準でサポートしているカードを買った方が早いです。
 端金をケチって時間をかけてハードとソフトを設定する苦労を味わって Linux の仕組みを憶えて行くか、端金で Linux 対応カード買ってインストーラに設定をまかせて楽するか、どちらの道を歩くのかはあなた次第! あ・な・た・次第! なのです!

 っつうか、やっぱ金で解決できることは金で解決するのが、ニッポン人の正しい戦い方だよな!
 ビバ! エコノミックアニマル!(←こういう考え方する人は、多分 Linux の管理なんかしない方が良いと思う)


参考資料
[ Return to Diary ] [ Return to Chronicles ]
fukazawa@st.rim.or.jp