この頃になるとジャン君のパラメータも結構上昇してきているので、それに反応して 新しい女の子がさらに登場し始めるようになった。
理系パラメータを上げると出てくる「将来世界を征服する女」・紐緒結奈、雑学パラ メータを上げると出てくる朝比奈夕子(声がドラミに似ているのでドラファン注目)な どが次々と登場、さらにジャン君のモテモテっぷりがヒートアップする。
放課後は色々な娘から「一緒に帰らない?」と誘われたり、虹野がお弁当を作ってき てくれたり、詩織の方からデートに誘ってくるようになったりと、もうモテモテ。これ ぞまさに「モテてモテて困っちゃうーああもうどうしようって感じー」(略してMMK AMDK)状態だ。これぞ人生の至福。
だが、女の子が出てきて主人公に勝手にお熱になるだけだったら実に結構なことなの だが、それだけでは済まされないのがこのゲームの奥深いところだ。
このゲームには女の子毎に「傷心度」という、傷つきやすい多感な少女の心を見事に 表現したパラメータ(誇張表現)があるらしく、その女の子を傷つけるような行動―― デートをすっぽかすとか、誕生日にプレゼントをあげないとか、他の女の子を誘って一 緒に下校するとか――をすると、「傷心度」がアップするらしいのだ。この「傷心度」が上がると、主人公についての「悪い噂」が女の子の間で流れ始める ようになる。「悪い噂」が流れたまま何も手を打たないと、女の子の自分に対する評価 がガクーンと落ちてしまい、MMKAMDK状態から一転してMKSP状態(みんなか ら嫌われてショックだぷぅ状態)になってしまう。そこからのリカバリーはかなり困難 なので、このような事態は避けるに越したことはない。
「悪い噂」は、好雄に電話して好感度を聞いたときに「爆弾」という形で教えてくれ るので、噂が立ったらまず「爆弾」がついている女の子をチェックし、その女の子との 関係を改善するようにしなければならない。
その関係を改善する方法はただ一つ……そう、デートだ!
デートしかねぇ!てな訳で、「悪い噂」が出たら(よりによってポンポン出る出る)好雄に電話して相手を確 かめてその女の子とデートの約束を入れてデートするという、激しい日常をこの頃から 繰り広げるようになる。
こうなっちゃうと狙いの女の子とのデートもままならなくなるので、本来は極力避け るべきである。女の子の登場条件を把握し、「いかに登場する女の子を少なくするか」 を考えながらプレイを進める慎重さが、このゲームの攻略には必要不可欠なのだ。この時点で登場している女の子は、既に8人。これ以上の登場は絶対に避けたいとこ ろだ。
この辺になると、パラメータを上げるコマンドを実行するにも「もう女の子出るなよ ー、出るなよー」とつぶやいてしまう私。ちょっと前までモテモテで浮かれていたのと は大違いのこの態度を、笑いたければ笑うがいいさ(by 麻宮サキ@スケバン刑事)。
そんな感じでヒィヒィ言いながら、ついに2年目のクリスマスイブを迎える。
クリスマスイブは、クラスメートの伊集院レイというキザで金持ちな二枚目男(アニ メ「とんでブーリン」辺りに出てきそうな奴)の家で行われるクリスマスパーティー に出席することになっている。
行ってみると、伊集院家の前にはバウンサーとおぼしき男が立っており、入場者のチ ェックを行っている。去年は「伊集院レイの友人」ですんなり通してくれたので今年も 大丈夫だろう、と思っていると、「お客様、その衣装では入場はご遠慮してもらっております」
と冷たく言われてしまった。
そうなのだ。容姿パラメータを上げると出てくるキャラクターを出さないようにする ため、あえて「容姿」を上げるのを控えていたのだ。その結果、ジャン君は知らない間 にハイソなクリスマスパーティーには参加できないような「野暮ったジャン君」になっ ていたという事らしい。
入れてくれないのは残念だが、まぁ仕方がない……と、思っていた矢先。
「あの……あなたは……」
という内気な声と共に、内気な少女・美樹原 愛が登場。
クリスマスパーティーに出なくても、条件さえ揃っていれば女の子は容赦なく 登場してしまう場合もあるらしい。ときめきメモリアル、相変わらず侮り難しだ。しまったと思うプレイヤー(私)の心情をよそに、ジャン君はなんか美樹原と楽しそうに言葉を交わし 、しかも終いにはクリスマスプレゼントの交換までしてしまい、なんとなく彼女といい 感じにまでなってしまったのであった。
モテモテ地獄、さらに紅蓮の炎と化してヒートアップの予感! ビシバシであった!
はたしてジャン君はラスト1年間、「爆弾」を爆発させずに卒業までこぎつけること ができるのか?
続く。
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