オシャレな revo に
大量のタイピングを強要する

インストラクション:

 今回は、この手のマシンならみんな気になるであろうキーボードに関する話を。

 revo などの PSION 社のハードの一番判りやすい特徴と言えば、やはり蓋を開けた時に文字通りニュルッと飛び出す変なキーボード構造だろう。この構造により、revo は本体の大きさに比べてかなり大きいキーボードを搭載することに成功している。このサイズで53キー 12mm ピッチのキーボードを搭載できているのは、もはや驚異といっても良いレベルだ。
 コレを作った PSION の技術力は、もはやジオン軍どころかバンダイをも越えてるね! ジオン驚異のメカニズムをも超越ですぜ!(よく判らない例え)

 とは言え、やはり revo のキーボードは、普通のノートパソコン等と比べると小さくて打ちにくいのは事実。12mm というキーピッチはこの手のミニノートでは結構採用されているので(確か初期の Libretto もこれくらいだったような)慣れれば何とでもなるものなのだが、revo のキーボードで本当に問題になるのは、キーストロークの浅さと乏しいクリック感、およびキーの構造に由来する独特のキーの挙動ということになるだろう。

 まずキーストロークは非常に浅いので、指に感じる「キーを叩いたという物理的な感触」が少ない。なので、「本当にキーを押したかどうか」という感覚的なフィードバックが得られにくい、という欠点がある。revo は標準設定だとキーを押した時にクリック音が出るようになっているが、これはこのメカニカルな部分での感覚的なフィードバックの乏しさを補うための工夫と思われる。
 また、普通のパソコンのキーボードはキーを押すとキー全体が下に押し込まれる構造になっているモノなのだが、revo の場合はそうではない。キーの手前の側にキーを支える支柱のようなものがあり、キーを押すとキーの奥の側が押し込まれるという仕組みになっている(この辺は言葉では説明し辛いけど)。従って、revo のキーをタイプする場合、ある程度はキーの奥を意図的に押してやる必要がある。キーを叩く時は、垂直方向にキーをグッと押し込んで打つべし! 打つべし!(丹下段平の声で)という感じなのだ。

 そういう独特のクセがあるキーボードなので、その位置からしてブラインドタッチスタイルでは主に小指でタイプすることが多い「A」のキーは、文字をタイプする上ではハッキリ言ってかなりのライバルとなる。「A」は日本語入力時には避けて通れないローマ字入力の要となる重要キーの一つなのだが、revo の「A」キーは位置的に押し辛く、小指で押すと力が入らずにキーを押し込めず、クリック感に乏しいのでちゃんと押せたかどうかは画面を見ないと確認できないという三重苦を背負っているのだ。
 PSION のメーリングリストでも「A」が押し辛いってことを書いていた人もいたし、やっぱみんな慣れないうちは苦労しているのなー、とか思った。

 でもまぁ、revo は元々、キーボードを駆使して長文をガスガス打ち込むために作られたものではないのは明らかだし、revo のキーボードも基本的には付属ソフトの Email や Agenda や Jotter 等でメモ程度の短い文章を打つ用に作られているっぽい。revo のコンセプトは「ポケットに入るスモールコンピュータ」なので、キーの押しやすさよりもコンパクトさを重視してハードがデザインされているのは当然だし、理にかなっていると言える。
 モバイルで文章をガスガス打つため携帯マシンとしては、revo の上位機種である SERIES 5mx(キーピッチが 14mm と revo よりも大きく、ストロークも revo より良好)や、良好なキーピッチを持ち、かつ ATOK Pocket 等の優秀な仮名漢字変換ソフトを使える WindowsCE マシンの HP jornada シリーズNEC のモバイルギアなどを選択するのがベターだろう。
 一つのマシンに拘らず、目的に合わせて複数のモバイルマシンを使い分ける柔軟さも、モバイル戦士モバイラーには必要なのだ。オレは金がないのでそんなブルジョアなマネはできないですけどね(ドクロ)。

 あと、revo のキーボードの特徴としては、普通の打ち方以外に、両手で revo を持ちながら親指でムリムリキーボードを押して使うことを想定して作られている、という面があるのも書いておかないといけない。一度 revo を両手で持ってみれば判るが、ちょうど本体裏側のボディ曲線が手にぴったりフィットするように作られており、実に持ちやすい。
 更に、その手への収まり具合というかフィット具合は非常に心地よく、例えるならなんかこうそのまんまボディの裏面を手で撫で回してしまいたくなるような妙なムズムズ感を伴う、官能的な気持ちよさがあるのだコレが! アッハーン!(ヘボ)

 とにかく、手で持って操作することを前提として作られたマシンである revo は、「電車の中で立ちながらメールソフトを操作する」といった、環境的に追いつめられた局面でも十分使うことができる。実際やったことがある私が言うのだから間違いない。この辺は、5mx や WindowsCE 機を含めた他のキーボード付きマシンではマネできない芸当だろう。

オレ用タイピング強要ソフトの作成

 という感じで revo のキーボードに関しては特殊なギミックが多いのだが、ハッキリ言ってしまえば「慣れれば何とかなる」レベルだ。キーの特性さえ把握できてしまえば、打ち方のコツが判ってくるのも早いと思う。人間の環境適応能力は、決して侮れないモノがあるのだ。revo を使って君の中の潜在能力を目覚めさせろ!(無茶)

 残る問題は、「どうやってキーボードに慣れるのか」ってことだ。
 キーボードに慣れるためには、基本的には大量のタッチタイピングを常時こなすのが早道なので、例えば毎日寝る前に般若心経を revo に写経するとかすれば一番てっとり早いのであるが、今回はそれよりも幾分マイルドな手段として、「タイピング練習ソフトを自作してみる」ことにした。
 PSION 社のマシンには OPL と呼ばれる「ちょっと歪んだBASIC」(言い過ぎ)みたいなプログラム開発環境が標準で装備されているので(revo は標準では付属していないが、nOPL+ 等のソフトウェアを導入すれば単独で開発が可能)、それのお勉強がてらにタイプ練習ソフトのようなものを作ってみた次第。

 今はしがない雇われ企業プログラマやってる私だが、かつてはマイコンBASICマガジンに自作ゲームプログラムが掲載されたこともある、バリバリのホビープログラマだったんだぜ! と過去の栄光にすがりながら作ったのがコレ。

 →自作タイピング練習ソフトtyperevo

今回の結論:

 作っている間は楽しかったのですが、いざ完成してみると速攻で飽きたのであんまりこのソフトで遊んでません(ありがち)。


[ revo ページに戻る ]

fukazawa@st.rim.or.jp