YAPC::Asia2013の1日目に参加しました日記

LT開始前のメインホール

 YAPCと書いて「やっぷしー」と読むことを初めて知りました(挨拶)。

 9/19から9/21までの3日間に渡って開催された「YAPC::Asia Tokyo 2013」の1日目に参加してきました。
 最近はすっかりPHPを使うようになってしまった私ですが、WebブログラミングをPerlで覚えた身としてはやはりperlは特別な言語なのです。

 以下概要。



memcachedプロキシサーバの開発と運用 (Tatsuhiko Kuboさん)

 pixivで使われているKyotoTycoonのプロクシサーバneoagentのお話。KyotoTycoonは実務で使うことを検討している段階なので聴講。

 印象に残ったのは、後半に語られたモニタリングの件。JSONでステータスを返すコマンド(neostat)を作り、それをFluentd経由でMongoDBに記録してWebで確認できるようにしているとのことで、そのシークエンスがすごいハイカラで憧れます。
 KyooTycoonの運用も合わせて真似して行きたいところです。

BrowserStack を用いたクライアントサイドのテスト (Kosei Moriyamaさん)

 現代Javascriptのテスト環境についてと、表題のBrowserStackを使ったクライアントサイドのテストについての話。BrowserStackに興味があったので聴講。

 ユニットテストの QUnit / Jasmine、実クライアントに近い環境でテストできる PhantomJS+Jasmine / JSTestDriver を紹介した上で、更に数多くのブラウザ+OSの組み合わせの実テストをクラウドで行えるBrowserStackとSeleniumを組み合わせてよりリアルな環境でのテストを行ってみよう、という内容でした。
 自分が知っているJSのテストというとJasmineやPhantomJSくらいだったのですが、それから随分進化しているんだなという印象。必要性は感じているので、時間作って実際に触ってみたいです。

ランチセッションのお弁当

ランチセッション A (Six Apart 高山裕司さん)

 用意されたお弁当を食べながらスポンサーのお話を聞くランチセッション。弁当はダイエット中なので(伏線)、白身魚の西京焼きを選択。

 最初に登壇したのはSix Apartの高山さん。Six Apartといえば、かつては宮川達彦氏を擁した会社としてPerlエンジニアの間では有名だったのですが、あの時代から随分遠くに来てしまったな…、と聞きながら何か時代を感じてしまいました。

ランチセッション B (Microsoft 佐々木邦暢さん)

 続いてはマイクロソフトの佐々木さんが登壇し、Windows Azureを紹介。
 最近のマイクロソフトはMashup AwardにAPIを提供するなど、エンジニアとの協調性を模索している印象です。アルファなエンジニアに使ってもらうことが肝要ってことなんでしょう。AWSは本当にその辺が強かったですからね。


大規模Perl初心者研修を支える技術 (Daisuke Tamadaさん)

 DeNAの新人エンジニア71名を個別指導で研修した時の知見について。自分も何か得られるものがあればと思って聴講。

 話の内容は研修の体制からワークショップの内容、研修生の状況把握の方法、そして信頼関係づくり、実際に研修で役に立った書籍の紹介に至るまでまで多岐に渡っており、よくこんな内容を40分でまとめることができたなと感心しました。
 「研修生に進捗をGoogle Documentで書いてもらうことで『見える化』を実現」「講師達も振り返りのミーティングを毎日行って研修生を評価」「研修生との信頼関係づくりにはやっぱり飲み会やランチでフランクに話す」「人前で褒めて個別に叱るを徹底」「KPI管理」など、感心させられる手法が多かったです。

 70名規模の新人を個別研修とか、講師にスクラムマスターやストレスマネージメントの臨床心理士を呼んだりとか、何より今回の講師の方のような「エンジニア研修プロジェクトマネージャー」という専門職があるとか、DeNAだからできるスケールの話ではあるのですが、規模に依存しないノウハウというものもあると思うので、いろいろ考えて行きたいです。
 まあ、何より強く思ったのは「自分もこの研修受けたい」だったんですけどね。

SPDY、HTTP/2.0の使い方 (takesakoさん)

 SPDYの普及具合と使い方について。SPDYについてはよく知らなかったので、良い機会だと思って聴講。

 最初にフリースポットの無線LANのパケットからセッションCookieを抜き出すChrome拡張の話から入ったので何故? と思ってましたが、SPDYはTLS/SSLの暗号化を必ず経由するのでセキュアだ、という話の流れでした。
 そこからSPDYのサーバ側実装の話を経て、SSL普及のためにポート80のHTTP通信を全てブロックする “Outbound Port 80 Blocking” を提唱するという技術者イベントならではの過激なコメントでオチ。

 その後の質疑応答で、スピーカーのtakesako氏の務めるサイボウズではまだSPDYに対応していない、という回答が出てきたところが面白かったです。

BOF / 交流

 2時からは少し休憩しようかと思って、交流スペースになっているイベントホールに移動。
 ここではアンカンファレンス的なLTが行われてました。自分が遭遇したものは以下の2つ。

Norikra-client

 データストリームをSQLライクな言語で処理できるもの。実装はRubyだが、CPANにPerl実装がある模様。
 Fluentdのログを処理するのが主な目的。Fluentd使いたいなというか、そろそろマジで使わないとこの辺の話に追いつけないなと思いました。

NewRelic

 何か色々判ってすごいパフォーマンス監視サービス・NewRelicの紹介。
 Ruby/PHP/Java/.NET/Python/Node.jsに対応しているが、Perlはまだ非対応。

 14:50から伊藤直也さんのトークがあるので聞きに行こうかと思ったのですが、行った時には既に満室だったので断念。
 隣の部屋では小飼弾さんのトークも行われており、そちらも満員でした。アルファギーク対決は互角といったところでしょうか(エラそう)。

大きくなったシステムを元に新たな環境を作る取り組み (Masaru Hoshinoさん)

 mixiのサービス開発の変遷について。前回のトークを聴講したので、せっかくなので今回も参加。

 mixiで使用しているPerlのバージョンを5.8.8から5.14.4に上げた時の工夫(本番環境に1台づつ投入してモニタリングをして徐々に切り替えていった)、既存のシステムをモジュール化してスマホアプリでAPI経由で利用していること、そして開発されたモジュールを徐々に公開していること、などが語られました。
 個人的に面白いと思ったのは、コーディングスタイルをユニットテストできるモジュール。テスト文化が徹底してるんだなと感心させられます。

やさしいGit の内部構造 (でぃーきゅーねおさん)

 正しくは『やさしい「Gitの内部構造」』。Gitでのコミットした時の動作に注目し、内部ではどのような形で保存されているのかを解説。Gitについてより知っておきたいと思って聴講。

 Gitのコミットオブジェクトはハッシュ値や親子関係の情報しかもっていない、というのは知識としては知っていましたが、それをとても判りやすく解説されてました。何かGitの本質が判ったような気がする(おおげさ)。

 16:10からの回は「はてなのサーバ管理ツールの話」を聞こうかと思っていたのですが、立ち見ですら入れないような感じだったので断念。はてな大人気

Lightning Talks Day 1

 YAPC::Asia最大のお楽しみイベントであるライトニングトーク。

 今回聞いた中では、LT漫談の真骨頂を垣間見たyoshims85さんの「ギークな異性を落とす魔法の言葉」、YAPC::Asiaらしく全て中国語でトークしたsongmuさんの「Riji」が面白かったです。

 なおRijiは、Rubyで書かれた静的サイトジェネレータJekyllのPerl実装のようなものだと解釈。アンカンファレンスで聴いたNorikra-clientもRuby由来ですが、今は新しいものはRubyコミュニティから生まれることが多いのでしょうか?

懇親会のデザートの山

懇親会

 1日目終了後、憧れの懇親会に初参加。これまでは仕事等の都合で夜まで居られず参加できなかったので、YAPCの懇親会に出るのはこれが初めてでした。「ソーシャルなカンファレンス」というお題目のYAPCなので、頑張って色々な方とフランクにお話して来ました。楽しかったです。
 懇親会は登壇したスピーカーの方々を初め、ギーク界隈の有名人が本当にそこら辺でウロウロしながら飯食べて談笑してる不思議空間なので、ミーハーな方は参加して周囲を眺めてウットリするだけでも十分楽しいと思われます。

 あと現在ダイエット中なのであまり食べないようにしていたのですが、デザートの山が出てきた時はさすがに誘惑に勝てませんでした(伏線回収)。


感想

 YAPC::Asiaに参加してまず自分が手を付けたいと思った技術は、Fluentd、KyotoTycoon、ユニットテスト環境の整備。1年前と較べてこれらの環境がかなり進化しているのを実感したので。あとGitは日常的に使える環境を作るべきだと思いました。
 そしてスタッフを始めとした関係者の皆様、本当にありがとうございました。また来年も現役のエンジニアとして参加できるよう、自分も頑張りたいと思います。

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自分が持ってるの第2版なので、そろそろアップデートしたいです

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